福岡・博多のお土産は和菓子の老舗 石村萬盛堂 | 鶴乃子 マシュマロ 和菓子 洋菓子

見つけた。新しい九州の恵み唐津レモン。 LEMON CAKE

石村萬盛堂がお菓子づくりの上で大切にしている、「九州の恵み」。
地元九州で、太陽の光をたっぷりと浴びて育った食材を、おいしいお菓子に生かしたい。そのお菓子をいただくことで、九州のみずみずしい豊かな自然、土地の恵みを感じてほしい。この度、石村萬盛堂が新たに見つけた「九州の恵み」は、七山の広がる佐賀県唐津市浜玉町の浦田農園で育つ「唐津レモン」。
「唐津レモン」を育てる浦田大暉さんに、そのレモンを使って「レモンケーキ」を作った石村萬盛堂の社長・石村善之亮がお話しを伺いました。

浦田農園 浦田大暉さん×石村萬盛堂代表取締役社長 石村善之亮

浦田農園のレモンと石村萬盛堂の出会い

石村
今日はお時間いただきありがとうございます、お目にかかれて光栄です。とても立派なお宅ですね
浦田
昔ながらの農家の造りです。こちらこそわざわざお越し下さり、ありがとうございます
石村
知人から“唐津にレモン農園がある”と聞いたときは、驚きました。以前から柑橘系のさわやかなお菓子を作りたいと考えており、社内で“レモン”を使っては? という声が上がって検討していたところでした。

瀬戸内の国産レモンは全国的にも知られていますが、唐津という、弊社のある福岡から車で1時間半ほどの場所にレモン農園があるとは、夢にも思いませんでした。“九州の恵み”を大切にしたい私たちにとって、大変ありがたい出会いです

浦田農園 写真

浦田
唐津はハウスみかんの栽培が盛んで、日本一の生産量といわれます。我が家も代々みかん農家で、私が本格的に家業に入ったのは1年前です。父は兼業で、母が先に勤めを引退し、祖父を手伝いながら4年ほど前から農業を始めました。その時すでにレモンを作っていたようです。リスボンという品種で、一般的にイメージされる形のレモンを育てています
石村
知人を介して、浦田さんのレモンを丸ごと使った“レモンピューレ”をいただきました。清々しい香りとアクセントになる苦味、酸味だけではないさまざまな表情を感じて、これだ! と即決しました
浦田
いや、本当にありがとうございます! そこまで言っていただけて嬉しいです

安心して食べれるもの作りたい

浦田農園 浦田大暉さん 写真

浦田
みかん同様、ここではレモンもハウス栽培しています。長く収穫できるよう育てており、浦田農園では年明けから7月初旬までが収穫期です。春に咲いた花から実になる時が、最も収穫量が多いですね。
レモンは樹勢(じゅせい)が強く、上へ上へとどんどん伸びる性質があります。剪定が必要なのですが、レモンの木には棘があり大きいもので3cmも。実は私も傷だらけです。もっとも大変なのは、ハウスの中が高温になる夏の除草作業ですね。早朝と夕方に行いますが、やはりハードです。

レモンは皮ごと、さまざまな料理や飲み物に使われますよね。輸入レモンが広く流通していますが、美しく形の整った輸入レモンには農薬や防カビ剤・ワックスを多く使用しているものがあります。うちではワックスをかけませんし、薬も可能な限り減らしています。唐津の直売所でレモンを販売する際、お客さまと直接会話すると、安心して食べられるものがほしいとおっしゃいます。それは、私自身も同じ。家族みんなで食べたいものを作りたい。子どもが4人いますが、うちのレモンを丸かじりしていますよ(笑)
石村
私にも小さな子どもがいます。家族で食べたいものを作りたい、同じ思いです

石村萬盛堂がお菓子に込めた思い

浦田農園 浦田大暉さん 石村萬盛堂代表取締役社長 石村 善之亮 写真

石村
爽やかな酸味と苦味、そして香り。浦田さんのレモンを使ったピューレをいただいた時の感動を、全部生かしたいと思いました。決断は早かったのですが、それをどうお菓子にするかが大変でした。試作品は、100を越えます。大きさ、形、なかなか決まりませんでしたね。喧々諤々(けんけんがくがく)の商品開発会議を、何度も繰り返しました。

二ヶ月ほど経って、ようやく丸いマドレーヌ型のケーキで進む方向が決まりました。そして、レモンピューレを最大限生かすことに。ただ、その後もケーキの厚さはどうか、大きすぎないか、食べやすいか、ピューレをどの割合で加えるか…等々、試行錯誤が続きました。ようやくレモンピューレをふんだんに使った、しっとりした小ぶりのケーキが生まれました。レモンピューレは、浦田さんのレモンを丸ごと100%に少しだけ砂糖を加えています。酸味、苦み、香り…全てを感じていただけると思います。捨てるところがないのは素晴らしいです
浦田
うちのレモンは不揃いなものもありますが、安心して食べられることを知っていただけて嬉しいです。形のいびつなものは商品として選ばれにくいため、加工品に向いています。皮も種も使っていただいたことで、香り高いピューレになり、お菓子に使っていただいて感謝しています
石村
タイミングも相性も良かったと思います。おかげさまで自信作となり、満を持して発売させていただきます

唐津のレモンケーキを大切に育てていきたい

浦田農園 浦田大暉さん 石村萬盛堂代表取締役社長 石村 善之亮 写真

石村
それにしても若い農家さんで驚きましたよ
浦田
石村さんこそ! 社長がこんなにお若いとは。石村萬盛堂さんは表情が柔らかい方が多いですね
石村
そうですか、ありがとうございます。農業に就いて1年だそうですが、以前と比べて変わったことなどありますか?
浦田
青虫やモンシロチョウを、以前は可愛いと思って見ていましたが、今は憎らしい存在となりました(笑)。葉は虫に食べられると光合成できなくなり、翌年の収穫に影響が出るのです。レモンも見た目は可愛い果実ですが、毎日付き合うと木の力強さ、生命力を感じます。今後はハウスを修理、拡大して、生産量を増やしていく予定です
石村
今回、浦田さんの真摯な人柄とレモン作りにかける情熱に触れ、レモンの生産現場を見ることができたのは、私にとって大変よい機会でした。この唐津のレモンを使った新作“レモンケーキ”が、多くの方に愛されるロングセラーとなるよう大切に育てていきます

しっとり、さわやかなレモンの風味 唐津レモンケーキ